ミュージカル『マイ・フェア・レディ』初日公演観劇レポート その①
朝夏まなと様 宝塚歌劇団退団後初ミュージカル『マイ・フェア・レディ』
2018年9月16日は東急シアターオーブで上演中のミュージカル『マイ・フェア・レディ』の公演初日でした。本公演は昨年11月に宝塚歌劇団を退団された元宙組トップスター朝夏まなと様の退団後初ミュージカル。まぁ様の舞台女優としてのお披露目公演です♡。まぁ様が演じられるのは物語のヒロイン、イライザ・ドゥ―リトル。世界で一番大好きな人の晴れ姿を見るために、私も東京・渋谷へ行ってまいりました!
『マイ・フェア・レディ』STORY
コベント・ガーデンのロイヤル・オペラハウス。終演後、劇場から流れ出てきた紳士淑女は、われ先にとタクシーを呼び止めようとしている。そんな人々にスミレの花を売り歩いているのはイライザ・ドゥ―リトル。煤と埃にまみれお世辞にも魅力的とはいえない。タクシーを拾うのに気をとられていたフレディはイライザとぶつかり、売り物の花が散らばってしまう。思わずフレディと母のアインスフォードヒル夫人を怒鳴るイライザ。その言葉はロンドンの下町言葉・コックニー訛りがひどく、とても聞けたものではない。そこへ通りかかったヒュー・ピッカリング大佐はイライザに花を売りつけられるが、その一部始終を物陰で手帳に書きとっている男がいた。男の正体は言語学者のヘンリー・ヒギンズ教授。あまりにイライザの話し言葉がひどいので、研究用に書き取っていたのだ。自分なら6ヶ月以内に宮殿の舞踏会で踊る貴婦人に仕立ててみせる、と豪語するヒギンズの言葉に、イライザは興味深いまなざしを向ける。やがて意気投合したヒギンズとピッカリングは去っていった。
ヒギンズから思わぬ多額の稼ぎを手に入れ、上流社会の生活を夢見るイライザ。そんな彼女の前に清掃作業員の父アルフレッド・ドゥ―リトルが現れる。いつも娘から金をせしめようとする酔っ払いの父親にうんざりのイライザだが、そこは父娘の情。娘から銀貨1枚を受け取って、ドゥ―リトルは大手を振ってパブへ入っていった。
翌日。ウィンポール・ストリートにあるヒギンズ家の書斎。ヒギンズはピッカリングを相手に研究成果を聞かせているところ。そこに家政婦のピアス夫人が来客を告げる。やって来たのは精一杯の盛装をしたイライザ。レッスン料を払うからちゃんとした花屋の店員になるために話し方を教えて欲しいというのだ。そこでヒギンズは、ほんの思いつきだった、”下町娘を貴婦人に仕立て上げる”を実行に移すことにする。ヒギンズの大言壮語につられピッカリングはそれまでにかかる費用を全部賭けようともちかける。
こうしてイライザの奮闘が始まった。来る日も来る日も発音の練習を続け、そしてある日、とうとう正しい発音をマスターしたイライザ。勝利の喜びに浸るヒギンズは、早速、母親がボックスを持っている、紳士淑女の社交場・アスコット競馬へイライザを連れて行くことにするのだがーーー。
ミュージカル『マイ・フェア・レディ』プログラムより
キャスト
- イライザ・ドゥ―リトル(Wキャスト)…朝夏まなと(♡)/神田沙也加
- ピアス夫人…春風ひとみ
- アインスフォードヒル夫人…伊東弘美
- ヒギンズの母…前田美波里
男役の名残を残しつつもレディの気品たっぷり
生オーケストラによる『マイ・フェア・レディ』のテーマソングが流れ、華やかに開幕。オープニングでイライザらしき花売り娘が一人舞台上で軽やかに踊ります。が、こちらはまぁ様ではありません。まぁ様は観劇帰りの人混みの中から弾き飛ばされるように出て来られます。
道端にべちゃっと投げ出されるので、色白なお肌やお洋服は泥や煤まみれ。イライザは後に彼女に恋することになる青年フレディとぶつかり、助け起こそうとする彼に持っていたお花を売りつけようとします。
ミュージカル「マイ・フェア・レディ」いよいよ公演開始!会見の様子、朝夏/寺脇組による公開ゲネプロの様子もご紹介! | コンフェティ
訛りのきついべらんめぇ口調で早口に捲し立てる様はちょっぴり男役の名残が♡。舞台上をどたばた走り回ったり、可愛いお顔をしかめたり、でもどこか品があるのがオードリー・ヘップバーンのイライザにも通じる、まぁ様の魅力。まさに磨けば光る原石のような朝夏イライザでした。
今後の展開にワクワク♡ 寺まぁコンビのヒギンズ×イライザ
フレディ親子が去った後、イライザはピッカリング大佐とヒギンズ教授に出会います。物腰柔らかなピッカリング大佐はとても紳士的にイライザに接してくれるので、イライザもなんとなく彼には最初から心を開いている様子。対するヒギンズ教授は身分やお金に不自由せず、日がな一日好きな研究に時間を費やしているような独身貴族です。
ヒギンズを演じるのはヒギンズ役三度目!の、ベテラン俳優寺脇康文さん。渋カッコいい見た目とは裏腹に、どこまでも少年のような寺脇さんのヒギンズはとても魅力的でした。寺脇さんは背も高いので、まぁ様との並びも完璧!。二人の掛け合いは初登場の場面から既にユーモアに富んでいて迫力があり、大変見応えがありました。これからの物語の展開が楽しみで仕方なくなるほど、早くも抜群のコンビネーション!。
こんな所で何をしているのかといった顔のヒギンズに対して「西に行こうが東に行こうが人の勝手だ!」と言い張るところにイライザの自立した女性像が見えます。お金持ちに花は売るけど(ちょっと割増料金で笑)媚を売ることはない。どんな身分の人とも一人の人間として対等に話すイライザは、この時代の女性としては非常に稀有な存在ではありますが、そういったぶれない芯こそが彼女の魅力。後にヒギンズの母親が「イライザのファンになった」と話すシーンがありますが、それも納得です。
弾ける笑顔と夢見る表情がキュート
ヒギンズから思わぬ大金を得たイライザが、仲間たちと夢を語りながら歌うナンバー『だったらいいな』。FNS歌謡祭でWキャストでイライザを演じる神田沙也加さんが歌っておられた曲ですね。メロディーも歌詞もとっても可愛い♡。
どこかに手頃な 部屋を見つけたら
大きな椅子をしとつ 置きたいのよ
あたたかい部屋で チョコレートを食べる
そんな暮らしが できたらいいな
まだ見ぬ誰かが あたいをやさしく
ぎゅっと抱きしめて くれたらいいな
ミュージカル『マイ・フェア・レディ』~♪「だったらいいな」
大きな瞳をキラキラ輝かせて、満面の笑顔で楽しそうにステップを踏むまぁ様。高音も綺麗に伸びていて耳に心地いい響き。たくさんのお花に囲まれて夢見る表情を浮かべるまぁ様がとってもキュートです♡。
男役さんみたいにどーんと足を広げて座っていても(笑)可愛さが勝っています。皆に愛されている下町のプリンセス、という感じですね。
続いて登場するイライザのお父さんアルフレッド・ドゥ―リトルは、常に酔っ払っているけれどいつも仲間たちの真ん中にいて陽気で明るい人。イライザは確かにこの人の娘なんだなぁ、と感じました。お父さん、娘にお金をせびるし勝手なことばっかり言っていてまぁまぁ酷いけれど。「稼いでこなけりゃベルトで鞭打ってやる」、というようなセリフがありましたが、もしそんな事をしたら私がバットでぶっ飛ば(以下自粛)。
演じる今井清隆さんはアルフレッドを、なんとなく憎めないキャラクターに仕上げておられました。一見すると酷い父親だけれど、彼なりにイライザを大切に想っているのだなぁ。アルフレッドが中心となって歌う「運がよけりゃ」のナンバーはテンポのいい楽しい曲で、ついつい口ずさんでしまいますね。
さて、ヒギンズの「自分なら正しい言葉を話す貴婦人に仕上げることが出来る」という言葉に興味を持ったイライザは、きちんとした話し方を学ぶ為にヒギンズ教授の元へ向かうことに。いよいよ物語が動き出します!。ヒギンズ邸の場面では、ヒギンズ×イライザの可愛くて面白い掛け合いがたくさん!。
感想はレポその②で!。
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