メモリアル オブ 朝夏まなと様 宙の太陽まぁ様の軌跡を振り返る②
花組に配属
2002年の初舞台の後、まぁ様は花組に配属となり宝塚生活をスタートされました。宝塚歌劇のなかで最も歴史のある花組。スタイリッシュで洗練されたルックスでありながら、どこか”古き良き時代の宝塚の男役”を思わせるまぁ様のクラシカルな魅力は、この”花組の男役”時代に培われたものなのかもしれません。
当時の花組
この頃の花組トップスターは春野寿美礼様、トップ娘役は大鳥れい様(大鳥さんは2002年『エリザベート-愛と死の輪舞-』で退団。後任はふづき 美世様)です。 まぁ様が初台詞を貰ったという『エリザベート -愛と死の輪舞-』は春野さんの大劇場お披露目公演でもありました。
こちらが記念すべきまぁ様の初台詞シーン。
朝夏まなと退団記念DVD『A☆LIVE』より
ミルクの場面ですね。まぁ様は左から三人目の市民(ウィーン)の役。注目の台詞は「病人がいるんだ!」。これがなかなか上手く言えなくて演出の小池先生に何度もダメ出しをくらったと、まぁ様がいつか話しておられました。
そんなまぁ様が後にトップスターとして、『エリザベート』で春野さんと同じトートを演じることになろうとは、この時のまぁ様は想像もされていなかったかも。
ところで当時の花組は男役スターの宝庫と言われていたそうですが、一体どんなスター様方がその名を連ねておられたのでしょうか。
その後2005年には元花組トップスター真飛聖様、2007年に元雪組トップスター壮一帆様、2008年に元宙組トップスター大空祐飛様が花組に組替えしてこられます。
見ているだけでクラクラするような名前の数々ですが、ここにまぁ様が加わり、その翌年には89期生として現・雪組トップスター望海 風斗様が入団され花組に配属されるのですね。それにしても今思えば…トップスターばっかり!!!。…凄い。間違いなく”男役の宝庫”ですね!。
新人公演時代
まぁ様の初めての新人公演は前述の『エリザベート-愛と死の輪舞-』黒天使の役です。基本的に黒天使の役はダンスに定評のあるスター様が選ばれるのですが、やはりまぁ様はこの頃からダンスの才能が抜きんでておられたのですね!。
ちなみに本公演の新人公演で主演を務めておられたのは元花組トップスター蘭寿とむ様です。 そうか、蘭寿さんにも新人公演時代があったのか…(当たり前なのですがあまりに偉大過ぎて)。
朝夏まなと退団記念DVD『A☆LIVE』より
トートを演じる蘭寿さんの右下で、蘭寿さんの左足を支えている黒天使がまぁ様です。ふんわりしたウェーブが似合っておられて、かわいい。
その後2005年にバウホール公演「くらわんか」に出演。同年、「マラケシュ・紅の墓標」で新人公演初主演に抜擢されます。今見ると、それはそれは初々しく可愛らしいまぁ様の新人公演時代。ですがまだ肩に力の入った男役姿の中にも独特の華やかさが滲み出ていて、なるほどこの人はこの頃から未来のトップスターの片鱗をその身に潜めておられたのだと感じました。
スター路線を駆け出し始めたまぁ様の軌跡を振り返ってみたいと思います。
まぁ様年表 その①
まぁ様がご出演された公演(別箱公演も含む)と新人公演の配役をまとめてみました。
バウホール公演 『くらわんか』
まぁ様の初めての大きな役としてよく挙がるのがこの「くらわんか」です。蘭寿とむ様、愛音羽麗様のW主演で2005年に上演されたこの公演で、まぁ様は貧乏神と徳兵衛を役替わりで演じておられました。ダイジェストの映像でみたまぁ様は見るからに気の弱そうででもどこか可愛らしさのある貧乏神をフレッシュに演じておられました。
朝夏まなと退団記念DVD『A☆LIVE』より
実際に作品を観てはいないのですが日本物でコメディという、下級生にしては難しいかもしれない本作品。まぁ様はこの作品でお芝居の面白さを学んだそうです。
祝!新人公演初主演 『マラケシュ・紅の墓標』
「マラケシュ・紅の墓標」は春野さんの大劇場5作目の公演です。この公演でまぁ様は新人公演初主演に抜擢されました。相手役であるヒロインは元花組トップ娘役であり、まぁ様とは同期生の桜乃彩音様。当時まぁ様は研究科4年。当時を振り返ってまぁ様は、
発表になった時は自分に何が起こっているのかわからないくらい呆然としてしまって、周りの同期や上級生の皆さんが「大変だ、大変だ!」みたいになっていて(笑)
朝夏まなと退団記念DVD『A☆LIVE』より
と仰っていました。宙組に組替えになってからのまぁ様しか知らない私からすると「まぁ様はこんなに素敵なんだもん、そんなにびっくりすることかな」くらいの認識ですが、当時の花組生、そしてファンの皆さまからするとなかなか大事件だった様子。
そういえば宝塚ファンの大先輩、愛ちゃんこと宙組男役スター愛月ひかる様も、当時のまぁ様のことを「すごい新人出てきた!って思ってた」(朝夏まなとアメイジングステージ「Amotion」より)って仰っていましたね。
スター誕生?!
まだ幼さが残る面差し。低い声がやや出しづらそうではありますが、大きな瞳で真っ直ぐに前を見据える凛とした表情はこの頃から健在です。スーツ姿はやっぱりカッコ良くて、相手役の彩音ちゃんをすっぽり包み込んでしまう腕も、身長差も素敵♡。
『朝夏まなと Energy PREMIUM SERIES』より
最後のご挨拶では大緊張のなか必死で笑顔を保っておられるような様子のまぁ様。東京公演では幾分慣れてこられたのか笑顔も多かったですが、宝塚の公演では感極まって声を震わせる瞬間も。瞳もうるうるしていて、私は実際にそこにいないのに「頑張って!」と拳を握ってしまいます(笑)。一言一言、一生懸命お話されているお姿にいたく感動してしまいました。
それから10年後、この時と同じ場所に立つまぁ様は大きな羽根を背おった堂々とした姿で、劇場中を包み込むような満面の笑顔を浮かべておられました。このスタートがあったからこそ育まれたものがあり、あの輝く笑顔が生まれたのだと思うと感慨深いですよね。
余談ですがこの時の新人公演の長で最初にご挨拶をされていたのが元花組娘役の桜一花様でした。一花様といえば小柄で愛らしい見た目でありながら歌も踊りもお芝居も超一流のベテラン娘役、というイメージがありますが、そんな一花様が緊張の余りところどころ噛んでしまいながらご挨拶されているのがとても新鮮で驚きでした。こんな時代があったのだなぁ。
一花様がまぁ様と替わる時、後ろに居るまぁ様を振り返って「まぁくん」って呼ぶお声がとっても可愛らしかったです♡。
『アデュー・マルセイユ -マルセイユへ愛を込めて-』新人公演主演
『マラケシュ』での新人公演主演を皮切りに、『落陽のパレルモ』新人公演では当時の二番手男役スターだった彩吹真央様の役であるヴィットリオ(「おはよう、お寝坊さん」という伝説の台詞がありましたね♡)、『ファントム』新人公演ではフィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵役(本役は元花組トップスター真飛聖様)、そして『明智小五郎の事件簿』新人公演では再び主演の明智小五郎役に選ばれるなど、大きな役が続いたまぁ様。
そして春野さんの退団公演である『アデュー・マルセイユ』で三度目の新人公演主演を務められました。
堂々のセンター
当時のまぁ様は研究科6年、新公学年の中でも上級生です。新人公演主演も三度目となると舞台姿にも余裕が見られ、伸びやかな歌声も力強く響きます。ちょっとした台詞の間に見せる表情は豊かで、自然。「新公を観ている」という感覚も忘れて物語に引き込まれていきました。主演としてチームを引っ張る頼もしい姿が見て取れます。
『朝夏まなと Energy PREMIUM SERIES』より
新人公演初主演の『マラケシュ』から数えて二年。たった二年ですっかり舞台のセンターが似合う大きな男役に成長されたまぁ様。春野さんの退団公演の主演に選ばれたことの誇りと、これまで積み重ねてきたことに対する自信を感じる舞台姿でした。
③に続きます!
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