ミルクとシロップ

ご訪問ありがとうございます♪ 大好きな宝塚についてのブログです。ご贔屓は朝夏まなとさん。まぁ様のお話が極端に多いです。

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雪組『ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』を観てきました

新・雪組トップコンビお披露目公演

 2017年11月10日から12月15日まで宝塚大劇場で、2018年1月2日から2月11日まで東京宝塚劇場で上演されていた雪組公演、ミュージカル『ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』/ショースペクタキュラ―『SUPER VOYAGER!』の千秋楽ライブ・ビューイングを観てきました。

 

 11月20日のMY初日の後12月8日に再度観劇し、今回のライブビューイングが三度目の観劇となりました。

 

 こちらは新雪組トップコンビお披露目公演中の宝塚大劇場、キャトルレーブのショーウィンドーです。


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望海さんカラー一色!。この時を待っていました!。トップスター就任、本当におめでとうございます!

 


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ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』って?

 

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ポスター | 雪組公演 『ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』『SUPER VOYAGER!』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

STORY

  フランスの片田舎アルトワ州アラスに生まれたロベスピエールは、幼くして母親を亡くし、その後弁護士であった父親も失踪、パリのルイ・ルグラン学院へと預けられる。同じ道を歩めばいつか父と再会出来るかもしれない…そんな思いを胸に勉学に励み弁護士となった彼は、故郷の街で素朴な人々の平穏な暮らしの尊さ、そして弱さを感じ、彼らの暮らしを守る事が使命だと政治家に転身、パリの街で革命に身を投じることになる。

 

 ジャコバン派に属し、時を経て革命の指導者となったロベスピエール。フランスは共和国となり、1793年国王ルイ16世は処刑された。フランスを新しい時代へと導いたロベスピエールに人々は熱狂し、いつしか彼は”革命そのもの”だと称されるようになる。

 

 だが一方で、貴族に生まれたという事だけで、愛する家族や恋人を奪われ、人生を狂わされた”革命の犠牲者”も少なくなかった。その一人、マリー=アンヌ、革命への復讐心ゆえに”革命そのもの”であるロベスピエールを暗殺する…彼女はその目的を果たす為にパリの街で機を窺っていた…。

 

 サンキュロット(下層市民)が支持するジャコバン党議員が集う「ジャコバン・クラブ」。ロベスピエールは、志を一つに革命を推し進めてきた仲間であるジョルジュ・ジャック・ダントンやカミーユ・デムーランらと、これからも共に戦い抜こうと語り合う。革命の理想に突き進んでいくロベスピエール。しかし、主にブルジョワジーを支持母体とするジロンド派等反対勢力の台頭、国王処刑をきっかけとした諸外国の宣戦布告等により、革命政府は混乱し、危機に瀕していた。ロベスピエールが求める”革命の理想”は崩れゆかんとしていたのだ。

 

 そんな中、ロベスピエールジロンド派の議員を反革命の容疑で逮捕する。更にダントンが私欲の為にジロンド派と通じ、共和国を裏切ったと側近のサン=ジュストから聞かされたロベスピエールは、理想よりも現実を見るべきだと訴えるダントンを辞職に追い込むのだった。

 

 革命が達成されれば理想にたどり着くはずだーーー”革命”に取り憑かれたロベスピエールは、恐怖によって革命を導くのだと「恐怖政治」を宣言。自身の理想に反する者を次々と静粛していく…。

 

 革命の理想に燃え、そして自らもまたその炎に焼かれた男ーーー革命家、マクシミリアン・ロベスピエールの物語。

 

ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』公演プログラムより

 

マクシミリアン・ロベスピエール望海風斗

マリー=アンヌ…真彩希帆

ジョルジュ・ジャック・ダントン…彩風咲奈

 

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

タレーラン・ペリゴール…夏美よう

カミーユ・デムーラン…沙央くらま

マノン・ロラン夫人…彩凪翔

ルイ・アントワーヌ・ド・サン=ジュスト…朝美絢

 

 自らの理想に呑まれた男の末路

 

 フランス革命ーーー『ベルサイユのばら』や『1789』など、宝塚歌劇で幾度となく題材とされてきた時代です。本作で主人公として取り上げられているのは革命家、マクシミリアン・ロベスピエール。彼の人となりは清廉潔白、質素堅実。素朴で温かい理想を掲げていたはずの彼がいかにして独裁者と呼ばれ市民に恐れられる人物となってしまったのか…。

 

本作ではロベスピエールの心情に寄り添いながら、彼の生い立ちから政治家を目指した経緯、彼が掲げた理想、そして自らの理想に呑まれ無念にも断頭台に散りゆくまでの流れが丁寧に描かれています。

 

フランク・ワイルドホーン氏全曲提供の話題作

 

写真

 

「私の作る曲は必ずしも歌いやすいものばかりではなく、また、歌うにあたり私はアーティストに多くのことを要求します。それは技術面だけではなく、自分をさらけ出してほしいということ、つまり素直であってほしいということです。望海さん、真彩さんの実直な歌を耳にして聞こえてきたのは、“シンプルな真実”でした。私の作る音楽は、その真実から生まれるものです。音楽には、愛と同じく国境がありませんから、私が音楽を作る時の感情や情熱を同じように感じとってもらいパフォーマンスにつなげていただければ、きっと成功につながると考えています。


また、素晴らしい歌手であるお二人にはぜひ“チャレンジ”をしてほしいと思っています。自分自身が心地よく感じるところ、安心に感じるところにとどまるのではなく、大胆に挑戦して、これまで自分が到達したことのないところまで辿りついてもらいたいです。宝塚歌劇団のこれからの100年に向けて、素晴らしい冒険をご一緒させていただけることを楽しみにしております。」  

 

ひかりふる路』制作発表会 作曲家インタビューより

 

 作曲家フランク・ワイルドホーン氏が『ひかりふる路』の楽曲を手掛けることになったというニュースは、歌唱力に定評のある望海風斗&真彩希帆の新雪組トップコンビお披露目公演にふさわしいビッグニュースでした。いずれも名曲揃いで、物語と共にいつまでも心に残ります。

 

生田先生の愛が詰まった贈り物

 

 本作品の脚本・演出は生田大和先生。生田先生が「控えめに言って「大好きな役者」である」という望海さんと、望海さん率いる新生雪組のために書き下ろした物語には、その随所随所に生田先生の愛を感じます。

 

最大の魅力と武器は役の感情を拡大化することが出来るエモーショナルな歌唱力であるが、それと同等に硬軟、黒白自在な演技力も魅力的である望海の辿る路がひかりに包まれたものである事を願い、タイトルを「ひかりふる路」とした。

 

ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』公演プログラムより

 

 望海さんが下級生の頃から、舞台人としての彼女の本質的な魅力を見知っている生田先生。一時間半という尺の中に望海さんの魅力を余すことなく詰め込んで…この『ひかりふる路』という作品は先生からの愛がたっぷり詰まった贈り物のように感じました。

 

真実の姿に涙する ~新しいロベスピエールの物語~

 

 数多の資料に残る革命家ロベスピエールについての記述。冷酷な独裁者となり、最後は自らも断頭台の塵となった憐れな男。…果たして、それは真実か…?。

 

 生田先生はロベスピエールを特別な人間などではなく、真面目で素朴な一人の男として描かれました。家族や仲間を愛し、自らの理想を実現させて国民を守ろうとしたロベスピエールは、決して血も涙もない冷酷な人間などではなく誰よりも人々の幸せを祈っていた心優しい青年であった、と。それが真実かどうかは誰にもわからないことですが、もしかしたら彼もまた”革命の犠牲者”であったのかもしれません。

 

雪組新トップコンビによる迫真の演技

 

望海ロベスピエール 真面目さゆえに追い詰められていく様を熱演

 

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http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2017/hikarifurumichi/gallery.html

 

 私は望海さんの”白い”お芝居が好きです。素の望海さんの面影を感じる事が出来るのですごく得をした気持ちになります(笑)。

 

 邪心の無い屈託のない笑顔、理想に燃える真っ直ぐな心、戸惑いに揺れる瞳…。望海さんはロベスピエール穏やかな優しさと不器用さ、いささか頑固すぎるけれど真面目な性格を上手く表現されていました。歌声の素晴らしさは言わずもがな。台詞よりも雄弁に、ロベスピエールの心情を語っていました。

 

 またその真面目さゆえに追い詰められ、窮地に陥ったロベスピエールの狂気の表情はさすが望海さん、といったところでしょうか。メイクもお衣装も何も変わっていないのに、別人のようにガラリと変わる瞳の色が印象的でした。

 

真彩マリー=アンヌ 架空の美しき暗殺者

 

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http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2017/hikarifurumichi/gallery.html

 

 家族と恋人を殺され”革命そのもの”であるロベスピエールの命を狙うマリー=アンヌ。彼女は光に包まれているロベスピエールの傍では影に潜み、ロベスピエールが闇に呑まれると日の当たる場所から彼に手を差し伸べようとする。生田先生曰く”光と影を併せ持つ”マリー=アンヌというキャラクターは、貴族と平民という以外にもロベスピエールとは常に対極にいる存在なのです。

 

 対極でいる為には相手役に寄り添うのではなく、一個人として確立していなくてはなりません。トップスターに華を添えるだけでは足りないのです。エネルギーに満ち溢れ、卓越した歌唱力と演技力を持つ希帆ちゃんだからこそ、マリー=アンヌを演じ切ることが出来たのだと思います。

 

 東京公演の後半は喉の不調が不安視されていましたが、千秋楽公演を拝見した限りでは心配する箇所はどこにもありませんでした。誤った道に進むロベスピエールを止めようとする場面の「愛した人を殺すなんて出来ないわ…!」という悲痛な叫びは観ているだけで震え上がるほどの迫力がありました。

 

 それにしてもお披露目公演でトップスターと互角に立ち回るトップ娘役とは……凄い。ロベスピエールにナイフを突き付ける姿も凛々しくて格好良かったです。

 

作中で描かれる、様々な愛のかたち

 本作ではたくさんのキャラクターたちが登場しますが、各々が単体で目立っているのではなく、友愛、夫婦愛、家族愛などを通して結びついている登場人物たちの繋がりが丁寧に描かれています。物語の随所に散りばめられた様々な愛のかたちに涙する…。生田作品の特徴でもありますね。全部は書ききれないのですが一部をご紹介したいと思います。

 

ロベスピエールとマリー=アンヌ

 

 ロベスピエールとマリー=アンヌは平民と貴族であり、革命の指導者と革命の犠牲者でもあります。革命が起こらなければ出逢う事もなかった二人

 

 当初はロベスピエールを憎んでいたマリー=アンヌでしたが、彼の人となりや意外にも素朴で温かい彼の理想に触れ考えを改めていきます。次第に惹かれあっていく二人が穏やかに微笑みあう場面は、怒涛の革命期であることを忘れてしまうくらい温かい空気に包まれていました。

 

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http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2017/hikarifurumichi/gallery.html

 

 徐々に追い詰められ我を失っていくロベスピエールでしたが、最後まで彼の心の中にあったのは、清らかな理想の世界と愛するマリー=アンヌの存在。それだけが彼の心の支えだったのですね。彼女を永遠に失う事になると悟ったロベスピエールの叫びが彼の愛の深さを物語っていました。

 

辿り着いた先に君がいないのなら

一人生きる意味など何も残されていない…

 

ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』より

 

 

ロベスピエールとダントン

 

 ロベスピエールとダントンの二人は革命を共に生きた親友同士。ですが考え方の食い違いで二人の仲は決裂します。それでも間違った方向へ突き進む友を、身を挺して説得しようとするダントンの姿には死を恐れる様子は微塵も感じられず、ただただ唯一無二の友の身を心から案じているのがわかりました。

 

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http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2017/hikarifurumichi/gallery.html

 

 微笑みを残して断頭台に消えたダントンからはロベスピエールへの恨みは全く感じませんでした。彼は「仕方のない奴だ」と呆れ半分で、頑固で不器用でどうしようもないけれども大切な友を助けることが出来なかったことだけを最後まで悔やんでいたように思います。

 

 もしも死後の世界で二人が再会したとしたら…。ダントンは「そんなしけた顔するんじゃねーよ」なんて言いながら、豪快に笑ってロベスピエールの肩を抱くのではないか…。そんな想像が広がりました。

 

ロベスピエールとサン=ジュスト

 

 ロベスピエールの側近、ルイ・アントワーヌ・ド・サン=ジュスト。本作ではロベスピエールの清らかさとリーダー的素質に陶酔していくサン=ジュストの姿が強調して描かれていたのが印象的でした。

 

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ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』NOW ON STAGE より

 

 「革命の大天使」と呼ばれた若い美青年は、終始何かに取り憑かれているような表情でロベスピエールを闇の世界に手招きます。ロベスピエールが温かい理想を抱いていたのと同じように、サン=ジュストにもある種の理想の世界があったのでしょう。

 

 魅惑的な眼差しと発言で人の目を眩ましてしまうサン=ジュスは妄信的にロベスピエールを崇拝しているようですが、最終的には主君すら自分が創り上げたレールに乗せてしまう危険な男でもありました。ロベスピエールの前に彼が現れなければ歴史は変わっていたかもしれません。

 

ダントン夫妻とデムーラン夫妻

 

 ロベスピエールは生涯独り身でしたが、彼の友人ダントンとデムーランには愛する妻の存在がありました。喧嘩っぱやくそれでいて誰よりも心優しいダントンの妻はガブリエル。調子のいい夫にガツンと言い返したりするやや気の強そうな女性ですが、深く大きな愛情で夫を包み、ダントンが唯一甘えられる存在でもありました。

 

そんなガブリエルですが病に倒れ、夫を残して天国へと旅立ってしまいます。ガブリエルの亡骸に覆いかぶさり「お願いだ、目を開けてくれ」と泣き縋るダントンの姿には胸が締め付けられました。更に東京公演では「一人にしないでくれ…」というセリフが加わっていて、心の拠り所を失ったダントンの哀しみが深く伝わりました。

 

  一方、穏やかで気の優しいデムーランの妻はリュシル。可憐で愛らしい風貌の中に献身的に夫を支える頼もしい妻の姿がありました。積極的に夫の前に立ったりはしないけれど、デムーランの背中をそっと、でも力強く支えている姿が印象に残りました。

 

最後はデムーランと共に処刑される彼女ですが、怯えることなく夫の傍にしゃんと立ち前を見据える姿は清々しく、理想的な妻の姿そのものでした。そんな妻と一緒だから、最後までデムーランは穏やかな微笑みを絶やさずいられたのかもしれません。

 

 またデムーラン夫妻はいつも手を取り合って共に行動していて、小柄な二人がちょこちょこ舞台上を駆けている姿にはほっこりしました。

 

ロベスピエールとマリー=アンヌ その愛だけが真実

 革命の夢破れたロベスピエールは牢獄に入れられ翌日の処刑を待ちます。彼はそこで愛するマリー=アンヌと再会するのですが、「自分が憎いか」「自分への愛は偽りだったのか」と自嘲気味にマリー=アンヌに問うロベスピエールが切ない。そんなロベスピエールを真っ直ぐ見つめながら「憎い」「だがそれと同じくらい愛している」と訴えるマリー=アンヌの姿には涙を誘われます。

 

愚かよね、殺す為に近づいたのに。私はあなたを愛してしまった。

…今も愛してる。でも、同じように殺したい!

 

ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』より

 

 あの時感じた二人の愛は幻などではなかったのですね。二人は確かに愛し合っていたし、ロベスピエールが抱いていた理想は間違いなくマリー=アンヌの心を希望で照らしたのでした。

 

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http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2017/hikarifurumichi/gallery.html

 

 牢獄から解放されるマリー=アンヌの背中を優しく押して新しい世界へ送り出し、自らも光溢れる路へ旅立っていくロベスピエールの後姿が忘れられません。

 

 

 

 

 

 

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