2019~2020年 衝撃を受けたミュージカルスターランキング (男性編)
5位 佐藤隆紀さん(LE VELVETS)
【マリー・アントワネット】【ㇾ・ミゼラブル】
LE VELVETSでいうと、まぁ様と『笑う男』で共演されていた宮原浩暢さんもとても素敵な方ですが、「衝撃を受けた」でいうとやっぱり佐藤さんかな、ということで佐藤隆紀さんを挙げさせて頂きました。
佐藤さんを初めて拝見したのは2019年1月に観劇した【マリー・アントワネット】。佐藤さんはルイ16世の役を演じられていて、正直ものすごく活躍する役かというとそうでもないのだけれど、なんだろう、ルイの人となりが伝わってきてすごく泣けた…。優しくて不器用で、自分の周りにあるささやかな幸せを大切にしていて、マリーを心から愛していて、王としての誇りがあって、男としてのプライドもあって…そんなルイの人となりが台詞の行間に詰まっていたんです!。あの表情と佇まい、仕草が忘れられない。それまで佐藤さんのお名前だけは存じ上げていたけれど、どんな方なのか知らずにいた私は改めて「すごい役者さんなんだな」としみじみ思ったのでした。
あとは平方元基さんのコンサートに佐藤さんがゲスト出演された時に思ったのは、「とても頭が良くて面白い方なんだ!」ということ。佐藤さん=おっとりふんわり優しげな印象だったので、これもまた衝撃でした。ひとつひとつのコメントが冴え渡っていて、頭の回転が速くないとあそこまで喋れないと思う!もちろんお歌も素敵で(ジャン・バルジャン役で出演されていた『レ・ミゼラブル』の『彼を帰して』を、あんなにスペシャルなお席で聴かせて頂けて感無量でした…)、佐藤さんがいることで満足感、ひとしおでした。平方さん、佐藤さんをスペシャルゲストに呼んでたのはグッジョブだったと思う~(目線)
あと、まぁ様が観劇された『レ・ミゼラブル』は確か佐藤さんのジャン・バルジャンの回でしたよね!2ショットも嬉しかったけど、その後赤坂Actシアターで行われた『Precious Moment』では、まぁ様にメッセージをくださいましたよね!佐藤さん、ありがとうです(笑) あの時のメッセージも、ご本人不在なのに存在感が光る内容だったな~。ああいう場面で笑いをとれるユーモアセンスに溢れた人大好き!
2021年に上演される『マリー・アントワネット』には出演されないのが残念。でも佐藤さんが出演される作品は今後も観たいなと思ってます!そしていつかまぁ様とも共演して欲しい!
4位 宮野真守さん
【WEST SIDE STORY】
ミュージカルスターというか声優界のプリンスというか、もはやお茶の間のスターになっている気もする宮野さん。宮野さんのお姿を実際に拝見したのはSTAGE AROUND TOKYOで上演された『WEST SIDE STORY』。昔から宮野さんの大ファンである友人に借りた『王家の紋章』のDVDと、誕生日に貰った『Loving』のブルーレイも拝見して、多才な方だなぁとは思ってたけど、ラジオやテレビのバラエティに引っ張りだこな宮野さんを見ない日はほぼ無いくらい?とっても人気ですよね!
『WEST SIDE STORY』のトニーを宮野さんが演じられると聞いてから、絶対観たい!と思ってはるばるはるばる豊洲まで足を運んだのですが、行ってよかった!やっぱり宮野さんはスターでした!
まずトニーとしてはあの時代の大人になりきれていないリアルな青年像を表現されていてとても良かった。宮野さんのトニーというかトニーの格好をした宮野さん感は否めなかったけれど(笑)、トニーは宮野さんのイメージぴったりだったから全く問題なし。笹本玲奈さん演じるマリアとの『Tonight』のデュエットもとてもよかったな~!トニーとマリアがぐんぐん空に舞い上がって、星空の中で幸せそうに歌う姿がとても素敵だった♡
これまで私的『舞台に出てくるだけで元気になるスター』といえば、某ねずみの国のミッキーマウスと元星組トップスターの紅ゆずる様のツートップだったけれど、そこに堂々と加わったのが宮野さん。あのスターオーラは凄い!登場した瞬間に光のオーラで辺りを照らしまくる人。
もちろん本業である声優界でも宮野さんはトップスター。「わぁ、あの声も宮野さんだったの!」っていうことがよくある。金曜ロードショー版の『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカとか、『桜蘭高校ホスト部』の須王環とか、『はいからさんが通る』の伊集院忍とか、『ファンタスティックビースト』のニュート・スキャマンダーとか。
最近はYoutubeチャンネルも始められて毎回見るのが楽しみです。開始数秒であんなに笑えるチャンネル他にありません(笑)なんであんなに面白いの…>< 歌えるわ踊れるわ笑いもとれるわ、それでいてカッコ良くて背も高くて足も長くて、何か出来ない事はあるのか真剣に教えて欲しい(笑)。
来年はブロードウェイミュージカル『ウェイトレス』にも出演されるという事で、是非観に行きたいなと思ってます!
3位 平方元基さん
わ~平方さんの舞台めっちゃ観てますねぇ(笑)。本当はここに『サンセット大通り』も加わるはずだったのに、コロナで私が観劇する予定の日が公演中止になってしまったので結局観れず。それでも2018年の『マイ・フェア・レディ』から、まぁ様に次いでだんとつで観ている役者さんですね!コンサートも行ったし!すごい観てますね、ほんとにね。
平方さんといえばやっぱり笑顔が素敵だな~と思います。ミュージカル俳優さんの中でパッと顔を思い浮かべた時に、すぐに笑顔が浮かんでくる俳優さんってそんなにいなくないですか?みなさんシュッとしている(笑)イメージがあるのですが、平方さんの場合はニコニコな笑顔がすぐに浮かんできて、いつも楽しそうな明るい印象を受けます。
あと、誰と並んでも距離が近い(笑)。それこそ「近い…!」って突っ込まれるくらい人との距離を詰めちゃう辺りがとても好き。まぁ様が好きな人はわかってくれると思うんだけど、人との距離が近い人が好きな傾向にあります(笑)。
お話されてるのを聞いてても、とても面白いんですよね平方さん。面白いでいったら前述の佐藤さんや宮野さんも面白いんだけど、あのお二方は本当に頭の回転が速くて面白おかしく話すセンスに長けているって感じなんだけど、平方さんの場合は素で面白いんですよね。たぶんご本人は笑かそうと思ってるわけじゃなくて、いたって普通に話しているんだろうけど、ついついクスってなっちゃう所が素敵なキャラクターだなぁと思います。平方さんの事嫌いって思う人いないだろうな~天性の愛されキャラって感じで。つられて笑顔になっちゃう人って素敵ですよね。
そんな感じで好感度120%な平方さんですけど、お芝居が!本当に素晴らしいと思います。ギャップ!!!(笑)。舞台の上で繰り広げられている世界なのに、まるでそこに本当に生きているような自然さがあって。すごく細かく丁寧に役作りされているから、作品ごとにいつも違う平方さんで見応えがあるんですよね!「次はどんな人物像を見せてくださるのかな!」って毎回楽しみです。
また佐藤さんと同じく平方さんも、台詞の間に隠れている行間のお芝居がとてもいいと思います。最近の記憶を辿ると、『ローマの休日』のジョー・ブラッドレーは本当に大好きな役でした。映画の中の、グレゴリー・ペックをそのまま真似したジョーじゃない、人間くさくてほんのちょっぴりいい加減で、それでいて愛嬌があって憎めない、そんな平方さんのジョーに会いたくて通った公演でした。『ローマの休日』って泣く作品じゃないと思うんだけど、平方さんのジョーにはほんとに毎回泣かされました。ベッドに腰かけてアンの写真を眺める背中を思い出しただけで泣けるわ…。
こちらが余韻にどっぷり浸かっているというのに、舞台を降りるとけろっとされてるのがまた面白くて不思議(笑)で飽きない人だなぁと思います。まぁ様じゃないけど、次に出演される『IF/THEN』も楽しみにしています!2021年はまぁ様とたくさん共演してくださるのも嬉しい!
2位 中川晃教さん
【サムシング・ロッテン!】【怪人と探偵】【フランケンシュタイン】
「歌が上手いとかそういうレベルじゃない人」といえば雪組トップスターの望海風斗様、そして中川晃教さん、ではないでしょうか。神が与えし歌声、って感じですよね。中川さんは普段お話されているのを聞いていても、まるで音楽みたいです。聴き心地の良い、とても素敵なお声ですよね!有形文化財だわ…!お話されるペースも世界観がちょっと他の方と一風異なってて、なんだかそんなところもアーティスト!って感じがします。
中川さんの代表作の一つでもある『フランケンシュタイン』を観劇した際、一幕ラストで、中川さん扮するビクター・フランケンシュタインが絶唱する場面があるのですが、その時、客席がぐーっと圧倒される空気を感じました。「歌が上手い」とかじゃないんですよ、ほんとに。息をするの忘れるくらいの衝撃。中川さんこそが音楽そのもの。
アーティストとして芸能活動を始められた中川さんですが、よくぞミュージカルの世界に来てくださったなぁ、と…!。その選択に心から感謝です。ミュージカル俳優さんの中でも一際崇高な存在過ぎて、中川さんと同じ時代に生きていることに感謝の気持ちでいっぱいです(真剣)。
私が密かに願っているのは、いつか『ファントム』のエリックを中川さんに演じてもらいたい…!ということ。音楽の天使の称号に相応しい方が、中川さんをおいてほかに存在するでしょうか。『オペラ座の怪人』でもいいんだけれど、せっかくならエリックの人生に焦点を当てた『ファントム』にいつか出演していただきたいと切に願っています。なんなら新しい『ファントム』を中川さんが演出してくださってもいい!尊い!その時は我らが実咲凜音様をクリスティーヌに抜擢してくださいね。劇場の怪人化するほど通います。これ、2019年からずっとぼやいている願望です(笑)。このままでは中川エリックの亡霊になってしまうので…是非実現を…!。
1位 浦井健治さん
【笑う男】【ビッグ・フィッシュ】
今期一番衝撃を受けたのは、ミュージカル界のプリンス、浦井健治さん!(井上芳雄さんはミュージカル界の王様に格上げしよう)
これまでも浦井さんの存在はもちろん存じ上げていたのですが、「浦井さんっていつも主演だな~」くらいにしか思っていなくて、なんでだか浦井さんの舞台を観る機会が一度も無く、まぁ様と共演された『笑う男』でやっと初めて拝見したんですけれど、それまで浦井さんの舞台を観てこなかった自分を本気で呪うくらい、ガツン!と衝撃を受けました。いつも主演、ということはそれだけの理由があった!
まず『笑う男』で衝撃を受けたのは、その圧倒的真ん中力でした。『笑う男』には元宙組トップスターのまぁ様はもちろんの事、元星組トップ娘役だった夢咲ねね様、長年ミュージカル界を牽引してこられている山口祐一郎さん、石川禅さんなど、ミュージカル界の大スターが大勢出演されていました。そんな面々の中で、浦井さんは紛れもなくトップスター!でした。華やかな宝塚の舞台を見慣れている私にとって、常に舞台の真ん中で誰よりもキラキラと輝くオーラを纏うトップスターという存在は宝塚にしかいないものだと思っていました。舞台のどこに立っていても目を奪われる存在感、惹き込まれるほど強いエネルギー…宝塚の他にもトップスターっているんだな!という衝撃。フランク・ワイルドホーン氏直々にご指名があったのも頷けます。もはやグウィンプレンは浦井さんしか考えられませんね。
また、浦井さんの素敵なところはご自身の魅せ方ももちろん上手いですが、相手役さんを美しく引き立たせるのも上手いところ。そんなところも素敵です。ミュージカルはやはりラブストーリーが多いので、相手役の女優さんとのシーンをいかに美しく魅せられるか、うっとりさせられるかってやっぱり大事だと思うんです。浦井さんはどなたが相手役であっても合うな~!と感心します。浦井さんが相手役だったら、女優さんも皆さん安心なんじゃないかなぁ。その証拠にまぁ様も浦井さんのこと心底尊敬されているみたいだし(まぁ様is正義)。
女優さんだけじゃなくて同性の俳優さんに対してもだけれど、朗らかで親しみやすいのに、場数を踏んでこられた確かな知識とスキルがあって、包み込むような優しさと安心感もあって、まさにプリンスですね!
2021年3月は、待望の『ゴースト』が再演されますね!夏には『王家の紋章』も再演され、我らがまぁ様ともまた共演してくださるのが嬉しいです!。また、いずれの作品も主演というのが凄いなぁ!。人気の役者さんは3、4年先まで予定が埋まっているというけれど、きっと浦井さんがそうなんだろうなぁと思います。「浦井さんに演じてほしい!」「浦井さんの作品が観たい!」、ミュージカルを作る人にとっても、見る人にとっても欠かせない存在ですね!
次回は、【衝撃を受けたミュージカルスターランキング(女性編)】を更新します!
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ご贔屓様の宝塚退団から変わったこと、変わらないこと
我がご贔屓様、元宙組トップスター朝夏まなと様が宝塚歌劇団を退団されてからもうすぐ3年が経とうとしている。
宝塚スターの退団後は多種多様だ。まぁ様のように外部の舞台で活躍し続ける人もいるし、自分のブランドを立ち上げる人もいるし、インストラクターや劇団、スクールの先生になる人もいるし、誰かのお嫁さんになる人もいる。
まぁ様が退団されてから今までを振り返ると、私たちまぁ様ファンは本当に幸せだったと思う。まぁ様は退団後間も無く活動を始められて、様々な舞台で主演級の役を担い続けていらっしゃる。新しいお仕事の発表があるたびに、私たちファンに新鮮な驚きとワクワクを届けて下さる。退団直後はあまり更新しないかもと仰っていたSNSも毎日のように更新してくださっているし、なんだかこれからもこの幸せが続くことを約束されているような気がする。
心穏やかに過ごしている今、改めてまぁ様の宝塚時代から変わったこと、変わらないことを振り返ろうと思う。まぁ様ファンの皆様には「あーそんなこともあったね」って思ってもらえたり、現役タカラジェンヌのご贔屓様がいて、ご贔屓様退団後の未来を思って時々不安になってしまう人には「そんなもんなんだ」って流し読みしてもらえたら嬉しいな。
宝塚時代から変わったこと
ご贔屓様の印象
宝塚のトップスターが背負うあの「羽根の重さは責任の重さ」とはよく言ったもので、男役、特に80名近い組子を率いるトップスター様は、我々ファンには想像もできないような重責がその細い肩にのしかかっている。
だから会の解散式の時、「ありがとうございます」というお言葉とともに、ふわっと握手してくださったまぁ様の大きな瞳を見つめた時に、現役時代常に瞳に宿っていた鋭さが消えていて、全身からふんわりしたオーラを放っていらっしゃったのを見て、「あ、これが本来のまぁ様なんだな、トップスターって大変だったんだ…本当にお疲れ様でした」って、しみじみ思った。
解散式は退団後間も無く開催されたので、まぁ様の髪はまだ短くて(前髪がつくられてて、ツヤツヤッと天使の輪っかがあって、耳には開けたての小さなピアスが光っていたけれど)、服装もパンツスタイルという男役時代とさほどかわらない姿だったけれど、それでも纏っている雰囲気がそれまでのまぁ様と全く違った。
公演を重ねる毎にふんわりほわわなオーラが増して、笑顔もより柔らかい印象になってきたまぁ様。今では男役時代のまぁ様の映像を見ると「声低い!カッコいい!」と新鮮に驚く。
それくらい今のまぁ様は、ふんわりほわわなお姿が自然になった。太陽のような笑顔は変わらないけれど。そして時々元男役がにじみ出ているけれど。これからもエレガントなドレスをさらりと着こなしながら、お稽古場や集合写真を撮る時はついつい足が男役になっちゃうまぁ様でいてほしい♡
己の心境
有限の美であった宝塚時代をまぁ様と共に走り切って、宝塚時代と今では己の心境にだいぶ変化があった。これが多分一番大きい変化だと思う。
退団直後こそ、なかなかまぁ様に会えなくなってしまった事や、「もうここ(大劇場)にはあの人はいないのね…」なんてため息をついたり(大真面目)、まぁ様が男の人と並ぶたびにハラハラしたり、上がっては下がるジェットコースターのような気持ちでいたけれど、今の心境を例えると、まるで晴天のように穏やか。
まぁ様がイケメン俳優さんたちと超至近距離ツーショットで写真を撮られていようが、最早1ミリも動じない。それどころか「わーい、加藤和樹さんとようやく共演だ~やったー♡」「浦井健治さんが手を引いてエスコートしてくださっている!うふふ♡」なんて、こっそり喜んでいる始末。3年前の私に今の私の心境を話して聞かせたら張り倒されそう(笑)。
これはまぁ様の退団後の活動が、ファンの気持ちに寄り添って、少しずつ目と心を慣らしてくださったことが大きいと思う。
私の場合どちらかというと「男役だったまぁ様に恋をしていた」というよりは、「世界一カッコよくて世界一可愛い素敵なお姉さん」を一心不乱に追いかけていただけなので、女優の朝夏まなと様は当たり前に受け入れられた。娘役のまぁ様も最高に可愛かったから。「恋をしていた」タイプのファンの中には、「女性としてのご贔屓様」を見てしまった時点で心折れてしまう方もいらっしゃるのかもしれないけれど、幸い私は大丈夫だった。
会の解散式での前髪あり+ピアス→宙組20周年記念イベントでのピンヒール→ドラマ『不発弾』のかっこいい先輩→『MANA-ism』での男役×ほどよくセクシーな演出(男性ダンサーさんとの絡みはピリピリしてたけど)→NOキスシーンの(これ大事。退団後いきなりどぎついキスシーンがある舞台なんかに出演されていたら卒倒してた)古典的ミュージカル『マイ・フェア・レディ』で、華々しい舞台女優デビュー。
『マイ・フェア・レディ』ではクラシカルなお衣裳がまぁ様にとっても似合っていて本当に可愛らしく美しかったし、ヒギンズ役の寺脇康文さんは常にまぁ様をスターとして接してくださったし、フレディ役の平方元基さんも、まぁ様にとっては元気な弟的ポジションだったので、ピリピリすることは特になく、地方公演は出待ちも出来て、千秋楽までただただ幸せな気持ちだった。
次の『オン・ユア・フィート!』でガッツリキスシーンがあって、これが結構、荒療治だったと思う。相手役は当初相葉裕樹さんと渡辺大輔さんのWキャストだったけれど、相葉さんがご病気で降板されたため、渡辺さんのシングルキャストになった。
周りの皆が「キスシーン全然OK~!」っていう大人な女子(笑)ばかりだったのであまり大きな声では言えなかったけれど、ほんとは…ほんとは…見ていて嬉しいものではなかった、決して。まぁまぁ通っていたので、毎回奥歯をかみしめながら見てた(笑)。
救いだったのが相手役の渡辺さんがとても紳士な方だったこと。相手役だからってずかずか土足で踏み込んで、ファンの気持ちを逆なでするような行為は一切せず、舞台を降りると世界観を壊さない程度に程よい距離感を保ってくださっていた。千秋楽までなんとか逃げ出さずに座席に座っていられたのも、ひとえに渡辺さんのお人柄故だった思う。相手役が渡辺さんで良かった…。
そう思うとまぁ様は共演者にも恵まれていらっしゃると思う。まぁ様が素敵な人だから、素敵な人だけを引き寄せるんだろうなぁ。
『オン・ユア・フィート!』後は私の中で何かが吹っ飛んでしまったようで、ちょっとやそっとでは動じない鋼のメンタルになった。こればっかりは運だと思うけれど、男役さんの退団後の活動は、こうしてゆっくりゆっくりファンの心を慣らしてほしい。まぁ様の場合は本当に理想的展開だった。まぁ様と東宝芸能の方、そしてまぁ様のマネージャさん並びにMANAスタッフの皆さま、心より感謝を申し上げます。
親近感がわくようになった
宝塚時代はそれこそ一週間単位で劇場に通い詰めて、入り待ち、観劇、出待ちのフルコースを、来る日も来る日も繰り返していた。今では公演期間も必ず出待ちが出来るわけでは無いし、お茶会だって年に1回あるかないか。会える頻度でいったら現役時代より断然少ない。でも、まぁ様との心の距離は宝塚時代より近くに感じるようになり、さらに親近感がわくようになった。
宝塚のすみれの園は神秘の世界。どれだけ毎日通い詰めても、どれだけ雑誌のインタビューを読み込んでも、謎は謎のまま。それが嫌だったわけじゃないし、それはそれでとても楽しかった。
でも今、まぁ様はご自身のインスタグラムやTwitterでこまめに近況を教えて下さる。「今日は暑いね」「ママが作ってくれたピアス」なんて、内容は他愛もないもの。それでもファンにとっては心が弾む幸せな瞬間を、毎日のように届けて下さる。
「今日の髪型可愛いな~」「今日のメイクいい感じ!」「今日はお稽古なんだな」などなど、SNSを開くたびに嬉しい気持ちになる。「まぁ様もお仕事頑張ってるから私も頑張ろう」と、自然に思える。まぁ様は基本ポジティブな言葉しか発信されないので、必然的に自分もポジティブになれるのね。
こうしてまぁ様は私にとって、「ミステリアスなトップスター」から「親しみのある憧れのお姉さん」になった。もちろんスターといちファンなんだけど、相変わらずまぁ様を目の前にすると震えが止まらなくなるけど(おちょこ並みの度胸)、まぁ様のおっきな愛に今日も生かされているなーと思う。
自分のペースで応援できるようになった
宝塚時代、当然のようにまぁ様会の会員だった私だけど、宝塚の”会”というシステムはファンの貢献度によってわかりやすく待遇が違う。ようは会からチケットを買ったりグッズを買ったり、お茶会に非会員をたくさん連れてきたり、入り待ち出待ちにたくさん通ったり、というような貢献の度合いによってランク分けされているのだ。毎公演毎に開催されるお茶会ではファンの”表彰”なるものが存在して、たくさん貢献したファンにはご贔屓様が目の前でサインを入れたグッズを渡してくださったり、ツーショット写真を撮ってくださったりする。
その他にも貢献しているファンは、良席のチケットやチケ難公演のチケットを優先して取ってもらえたり、そもそもこのファン活動自体がご贔屓様の活躍に関わってくる、なんていう噂もあったりするから、宝塚ファンは皆必死なのだ。かくいう私も、まぁ様の現役時代はかなり頑張った。ラストデイまで頑張り切ったので、我がヅカオタ人生に一片の悔いなし、という感じ。
体力の限界過ぎて、大劇場の階段で寝てたこともあったほど(笑)、会活動は大変なこともあったけど、お友達もたくさんできて、なんだかんだ部活動みたいでとても楽しい会活動だった。
まぁそんな楽しい会活動はいい想い出になって、今はかなりマイペースなファンクラブ活動をしている。そもそも毎公演出待ち出来るわけではないので、開演ギリギリに劇場に着いて、観劇後は人の波に乗ってのんびり外へ。余韻に浸ったまま買い物したり、お友達とお茶したり。観劇が一日仕事じゃなくなったのは、かなり大きな変化かもしれない。
ファンクラブとの付き合い方
まぁ様が退団されて会も解散した後、まぁ様の東宝芸能所属の報と共に、新しいファンクラブ『MANA』が発足した。もちろん発足と同時に入会手続きに走った私。最初こそ慣れ親しんだ会との違いを比べて思う事もあった。でも今は、まぁ様だけではなくまぁ様のファンクラブのスタッフさんごと大好きだったりする。
第一に、まぁ様のファンクラブのスタッフさんからは、まぁ様への愛がしっかりと感じられる。そして同じように、ファンへの愛も感じられる。すべて有志による運営だった会とは違って、きちんとした会社が運営しているファンクラブなのに、ビジネス感が全くない。これは凄い。
こまめにTwitterを更新してくださるマネージャーさんもだけど、チケット受け渡しの時とかに気さくに声を掛けて下さるいつものスタッフさんとか、メール対応や電話対応をして下さるスタッフさんも全て。みんな思いやりがあって、丁寧で、とても温かい。接客業として私も見習わなくてはと思うほど。ここでもまぁ様の引き寄せ力を感じる…!
宝塚時代からのまぁ様ファンをがっかりさせないどころかガッチリ掴んで離さない心配り、それでいて新規ファンを温かく迎え入れる体制…。凄い。もはやまぁ様ファンクラブのファンなのかも。
好きな人が増え続ける現象
タカラジェンヌは皆尊いという信念を持っていた私なので、当然と言えば当然なのだが、まぁ様が出演される舞台、番組の数だけ増え続けるのが好きな舞台俳優さん・女優さんの数。特にまぁ様が親しくされている方はもれなく大好きになるので、このまままぁ様がどんどん舞台に立ち続けられたら、いつかミュージカル界のスター様方みんなを好きになってしまうのでは?と思う。すごいね、朝夏まなと様の行くところ全て、LOVE&PEACEだね。
世界が広がった分いろんな人の舞台が観たくて、情報を管理するのが本当に大変!。でも、ものすごく楽しい!これからもいろんな舞台を観て、一生「あの人もこの人もみーんな大好き」って、お花畑な私でいたい。
変わらないことは…
「10年後も皆さんとこうして集まりたい」。これは退団後初、舞台女優デビューとなった『マイ・フェア・レディ』のお茶会でまぁ様が仰っていた言葉。ものすごく、ものすごくうれしかったし、今もはっきり覚えている。願わくば、10年後も20年後も30年後もこうしてまぁ様の元に集まりたい。
宝塚時代も仰っていたけれど、退団されてから、まぁ様は私たちファンに感謝の言葉を掛けて下さることがより多くなった。必ず次の舞台があった宝塚時代と違い、外部の世界は”絶対訪れる次”はない。また会えると信じていた人に、二度と会えなくなってしまうこともある。「皆さんは自慢のファンです」と、まっすぐ伝えて下さるまぁ様に、精一杯ありがとうと大好きを返していきたいと思う。
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宙組宝塚大劇場公演『白鷺の城』/『異人たちのルネサンス』初日を観てきました!
宙組トップスター真風涼帆様&トップ娘役星風まどか様の大劇場二作目は、宙組にとって初めての日本物ショー『白鷺の城』と、今の宙組に当て書きされたお芝居『異人たちのルネサンス-ダ・ヴィンチが描いた記憶-』のオリジナル作品二本立て!。愛する宙組の皆さまに会いに、大劇場初日公演を観劇してきました♡。
星風まどか様 部分休演?!
初日開幕前にショックすぎるお知らせが飛び込んできました。
部分休演
(宙組)星風 まどか
※怪我のため部分休演いたします。なお、復帰時期については現在のところ未定となっております。
【部分休演場面】
『異人たちのルネサンス』—ダ・ヴィンチが描いた記憶—
第23場 フィナーレF
■代役
星風 まどか→夢白 あや
な、なんですと??????!!!!!!トップ娘役が休演?!。
怪我って…そんなにひどいの?まどかちゃんは大丈夫なの?他の場面は出てもいいの?無理してないかな…など、様々な想いが駆け巡りましたが、”フィナーレF”はトップコンビによるデュエットダンスの場面。トップコンビ大好き人間の私にとって、これはショック過ぎるニュースでした。
代役の夢白あや様は本公演の新人公演でヒロインを演じる予定の娘役さんです。彼女は研究科二年とまだお若いですが、研一で出演した新人公演『神々の土地』では当時の宙組屈指の美貌を誇る、元宙組娘役伶美うらら様演じる大公妃イリナ役を堂々と演じておられ、その舞台度胸と確かな実力に心から拍手を送ったことも記憶に新しいです。
ですので今回の夢白さん代役には実はあまり心配しておらず、どこか「彼女なら確実にやってくれるだろう」という安心感すらありました(実際夢白さんは完璧に代役を務めておられました)。
ただ、ただ…まどかちゃんが心配で心配で…。このような休演は観る側のファンももちろんショックですが、ご本人が一番無念でお辛いだろうと思います。憧れの真風さんと踊る夢のようなひと時…それを休演すると決めた彼女の心境を想うと…(泣)。はやく良くなりますように…心からお祈りしております。
大劇場初日おめでとうございます!
まどかちゃん部分休演の一件が心に影を落としつつも、大劇場に着くと否応なしにワクワクした気持ちが蘇ってきます。
宝塚観劇恒例のキャトルレーブのウィンドー撮影♡
宙組宝塚大劇場公演初日おめでとうございます(*^^*)🎉
— あや (@lovinyan12) 2018年10月5日
宙組の日本物新鮮だったけど皆イキイキしててとても良かった♪ゆりかちゃんの格好良さがこれでもかと詰め込まれていてお腹いっぱい… pic.twitter.com/8a6WXBFvc2
大劇場前には宙組公演と次回の雪組公演の特大ポスターが飾られていました。真風さんと雪組トップスター望海風斗様。このお二人が並んでいるとついつい我がご贔屓様・朝夏まなと様を想ってしまう私。
ゆりかちゃんとあやちゃん♡
— あや (@lovinyan12) 2018年10月5日
これ、真ん中にまぁ様が立ったら良い感じにゆりかVSあやこの図が出来上がるやん♡とか一人で思ってニヤニヤした pic.twitter.com/zoBwrr0KOE
こーんな感じで♡
ゆりかVSあやこ pic.twitter.com/KLkUNt5vJm
— あや (@lovinyan12) 2018年10月5日
…ご贔屓様で遊ぶんじゃありません!(゚-゚;)ヾ(-_-;)コラッ
ですがもしまぁ様が大劇場公演をご観劇されるのなら、是非とも間に立ってお写真を撮って欲しいです♡そしてそれをインスタにUPしてくださいね♡(笑)
本朝妖綺譚『白鷺の城』
今回の公演は一幕がお芝居、そして二幕がショーという一般的な宝塚歌劇の公演とは異なり、一幕がショー(それも様々な場面が散りばめられた歌と踊りのみで綴られるものではなく、全場ストーリー仕立てになった作品)、二幕がお芝居といった構成になっています。
開演前の舞台はこんな感じでした。
こんな感じだったよー✨映像も使われてて豪華!何より宙組生が豪華だし驚いたのは日本物でもあき様がロイヤルだったこと!あき様しゅごい! pic.twitter.com/VBUp8bzOZS
— あや (@lovinyan12) 2018年10月5日
白鷺が大きく羽根を広げたイメージでしょうか。やはり宝塚の舞台は華麗で豪華ですね。本編では映像も使用されおり臨場感がありました。
『白鷺の城』ここツボ
例の如く私の公演レポは恐ろしく長いので、とりあえず初日観劇後の「ここツボ」ポイントを取り急ぎご紹介します。ネタバレしますので観劇前の方はご注意ください。
- ずんちゃんソロから始まるオープニングにテンションUP!
- 武士役ずんちゃん、ものすごく楽しそう!
- 友景ゆりかちゃんがそこはかとなく前田慶次
- 「見忘れるものかよ」と言い放って姿を消す、玉藻ノ前まどかちゃんの表情
- キキちゃんの日本物ハマり具合。とっても綺麗。
- あき様は日本物でもロイヤル。
- 安倍保名の愛ちゃんがただひたすらに美しい。まるで絵巻物から抜け出してきたみたい。ため息…♡
- 葛の葉様よ……
- 台詞がまさかの録音音声…
- 娘役ちゃんの狐コス可愛い
- せーこ様、瀬戸花さん、みねりちゃんの狐三人娘が可愛い
- 狐は肉食らしい(せーこ狐談)
- 中国の宮殿の食事の方が美味しいらしい(せーこ狐談)
- ゆりかちゃん中国風コスチューム似合いすぎでない?素敵♡
- 中国の王宮の場面が華やかで目が幸せ
- 殿キキちゃん、軍師真風さん
- 軍師真風さん…♡(噛みしめる)
- 息も絶え絶えのなか手を取り合うまかまど
- 真風さんの青天!(衝撃…でもやっぱりカッコいい)
- まかまど銀橋手繋ぎ
- ゆりかちゃんに手を引かれて照れ照れするまどかちゃん全力で可愛い
ミュージカル・プレイ『異人たちのルネサンス-ダ・ヴィンチが描いた記憶-』
『異人たちのルネサンス』ここツボ
- 悪役愛ちゃんの色気
- あんな色っぽい司教様いてもいいのか、教会通うよ?
- 薄いヴェールを纏いながらふわりふわりと踊るまどかちゃんリアル天使
- あきりくそらぴのほのぼの具合が癒し
- みねりちゃんの少年役とっても良い!
- ずんちゃんったらまたそんな眉間に皺を寄せて…
- また叶わぬ恋に苦悩しているのね(涙)
- キキずん美形兄弟
- 実は愛ちゃんがまどかちゃんを抱きしめるシーンが一番ドキドキした
- 愛ちゃんの広い胸にすっぽり収まるまどかちゃん(ドキドキ)
- せーこ様がずんちゃんをビンタ!!!
- ミラノ公のお姫様なららちゃんが無邪気で可愛い
- ずんちゃんジュリア―ノを「あらイケメン♡」みたいなお顔で見つめてて可愛かったよ
- つれないずんちゃんジュリア―ノ様にぷんすかしているのも可愛い。つまり全ららちゃんが可愛い
- まかまど顎クイ
- ダンサーえび様セクシー!!!
- 翔くんがキレキレのダンスで輝いていた。辞めないでおくれよう。
- 戸惑うまどかカテリーナの手を取って逃げる真風レオナルド
- それを遠くで観察している愛ちゃんグイド司教様の余裕っぷり
- カテリーナに詰め寄るずんちゃんジュリア―ノ、複雑に捻じれた恋心がよく表現されているいい表情
- いつの間にか倒れているキキちゃんロレンツォ
- 死んだと思ったらむくっと起き上がって愛ちゃんグイドを剣でぶっ刺した
- 本気でビックリ
- ロレンツォ様見事復活
- 悪運強くて笑う
- モナ・リザ出てきた!!!
- そこで初めてまどかカテリーナが最期の時にモナ・リザの黒いドレスを着ていたことを思い出す
- モナ・リザまどかちゃん天使そのもの
フィナーレ ここツボ
今回はお芝居の後にフィナーレがあるので、お芝居仕様の演出になっていました。可愛らしさ、カッコよさ、色気…真風さん率いる今の宙組の魅力をふんだんに詰め込んだ大変見応えのあるフィナーレでした。
- そらぴあーちゃんもえこちゃんのマスケラータトリオ。そらぴのええ声♡
- ロケットはマスケラータの道化をイメージ。ハロウィンのコスチュームみたいでとっても可愛い
- 真風さんと娘役さんたちとの場面がアダルティ
- 娘役さんたち皆ストレートロングの鬘に黒のシンプルなドレス(スリットが入っていてセクシー)
- 皆無表情で踊っていてそれがまた色っぽい
- 花音ちゃんやせーこ様のような上級生娘役さんから沙羅ちゃんや夢白ちゃんのような下級生娘役さんまでいる!贅沢!
- 陶酔するマエストロなゆりかちゃんに陶酔する客席
- ららみねりまいあ夢白ちゃんと次々に絡むゆりかちゃん
- えび様とせーこ様を両脇に従え降りてくるゆりかちゃん最高
- えび様よりもせーこ様よりも、ゆりかちゃん下級生なんだぜ最高
- 男役さんの群舞もアダルティでカッコいい
- 特に愛ちゃん!!!
- アッシュグレーの髪を斜めに流して迫力あるダンスを披露する愛ちゃんに釘づけ
- キキちゃんの乱れた髪がまたセクシー
- 一人ギアが違うダンスのソラカズキパイセン
- トップコンビの為の幻想的なデュエットダンス
- まどかちゃんの姿が無いことが改めて切なくなる
- 夢白ちゃんはやはり堂々としていてキビキビ踊っていらした
- 座って花道からせり上がってくる真風さん眩しい
- エトワールは念願のみねりちゃん
- そろそろそらぴやもえこちゃんを大階段一人降りさせてくれてもいいのになぁ
- 凛々しいずんちゃんがふっと見せてくれるずんちゃんスマイルにキュン
- 今回大羽根はゆりかちゃんのみ。やっぱりゆりかちゃんの大羽根姿は迫力があるなぁ。
- 本公演より宙組配属の104期生が仲間入り
- にっこり後ろを振り返るまどかちゃん天使
- 何回聞いてもやっぱり大好きな、すっしーさんのご挨拶と誇らしげなトップスター紹介
- カーテンコールは3回。最後はスタンディングオベーションでした
- くすくす笑いが起きる客席に「なにか面白いかな?」と困惑気味に微笑むゆりかちゃん。
- カーテンコール3回を少なく感じてしまう朝夏まなと族
- カテコ5回くらい希望(もっと多くても可)
まぁ様がご卒業されてから、宝塚の観劇回数はどうしても少なくなってしまいましたが、久しぶりに大好きな宙組オールスターズに会うことが出来て幸せでした。舞台上の右を見ても左を見ても、大好きな顔ばかり!。やっぱり宙組は最高です。次は19日に観劇予定ですが、もっとチケット増やしたいな~♡。
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ミュージカル『マイ・フェア・レディ』東京公演千秋楽レポ
祝!東京公演千秋楽
2018年9月16日に開幕した東急シアターオーブ公演ミュージカル『マイ・フェア・レディ』が9月30日に千秋楽を迎えました。本公演でのヒギンズ役とイライザ役はWキャスト。千秋楽公演は別所哲也さんと神田沙也加さんの”べっかん”コンビで上演されました。
もう一人のイライザである我らがご贔屓・朝夏まなと様とヒギンズ役の寺脇康文さんの”寺まぁ”コンビは前日の29日に一足早く千秋楽を迎えられ、私にとってもこちらの公演が東京my楽となりました。
東京公演の想い出
16日の初日から、まぁ様の回を飛び飛びで観劇していたのですが…二週間、ほんとにあっという間でした。まぁ様はいつもとびきり可愛くて美しくて。お芝居は何度見ても新鮮に感じられましたし、どかんどかんと湧き上がる笑い声、熱の込もった手拍子や拍手、観ている側としてはラッキーでしかないハプニングもあったり…回を追うごとに大きな盛り上がりを見せる公演にひたすら夢中で通い詰めました。
ほんとはべっかんコンビも観たかったし、まぁ様の回は全通したかったなぁ…。ま、うじうじ後悔せず、次に『マイ・フェア・レディ』が再演されることになったら今度こそ全通しようと思います。えいえいおー!
劇場内にあった舞台の模型。
こちらは地方公演でも見ることが出来るのでしょうか。すごく細かな造りでした。
まぁ様が前を歩いておられた特大スクリーン。
シアターオーブがあるヒカリエ。二階フロアの中通路のところに巨大なスクリーンが。通りがかったらたまたま、テラまぁとべっかんコンビが登場!
— 朝夏まなとマネージャー (@asakamanatomg) 2018年9月13日
びっくりしたなぁ、の朝夏さん。
皆様もお越しの際は見てくださいね。 pic.twitter.com/T1MQSZIWF4
苦労してようやく千秋楽の日に撮影できたのがこちらです。
いい思い出になりました♡
スペシャルなお客様
東京公演では毎公演いろんなお客様が観劇に来ておられ、まぁ様もご自身のSNSで嬉しそうに報告されていましたね。千秋楽は元花組トップスターで前回&前々回の『マイフェア~』イライザ役でもある真飛聖様と、元花組トップ娘役でまぁ様とは同じ88期生の桜乃彩音様が二人揃ってご観劇に。前から2~3列目のセンター辺りに並んで座っておられ、休憩時間もずっとお二人でお話されていました。顔馴染のオーケストラの方々に手を振ったりもされていたかな。後姿までもが神々しいお二人…。
客席にお二人の姿を見つけたまぁ様も、嬉しそうに何度も笑顔を向けておられました。ゆうさんと彩音ちゃんはまぁ様の宝塚現役時代から、いつもまぁ様の舞台を欠かさず観に来てくださるので嬉しいです。
この日は他にも宙組組長寿つかさ様の妹さんである元花組男役スター達つかさ様や『エリザベート』、『1789』などの演出家、小池修一郎先生もいらっしゃっていたそうです。達さんには気が付きましたが小池先生は知らなかった…。小池先生が観劇に来られていると「次の小池作品にまぁ様が?!」なんてドキドキしてしまいます(笑)。
ご自身のインスタグラムで。嬉しそうなまぁ様(可愛い♡)
舞台も客席も!大盛り上がりな千秋楽
「楽しくて仕方ない」気持ちが伝わる♡まぁ様のお芝居
いつも大きな瞳を輝かせて舞台上を飛んだり跳ねたり走り回ったり…と、天真爛漫な演技が魅力のまぁ様イライザ。千秋楽では一際楽しそうに満面の笑顔で歌ったり踊ったりされていて「イライザとしてここに立っていることが、本当に嬉しくて楽しくて幸せなんだな」ということがひしひしと伝わってきました。
高音の歌唱も完璧。イライザの曲は地声からファルセット、などなかなか難曲揃いですが、最後まで完璧に歌いこなされたまぁ様に拍手。女優デビュー作だというのに難しい台詞を一つも間違える事なく、また他の役者さんの台詞が飛んでしまった時も自然なアドリブでフォローしたりされていて、さすがトップスター!と、改めて感心してしまいました。
大好きなヒギンズ邸でのレッスンの場面では、世界が恋してしまいそう♡な、まぁ様の無邪気な可愛らしさに完全に射抜かれてしまいました。特に忘れられないのがヒギンズ教授が運んできた装置を、まるで小さな子供のような表情で覗き込むところ。
ヒギンズ 「これは何だ?」
イライザ 「”し”」
ヒギンズ 「”ひ”、だ!」
イライザ 「”し”」
純真を絵に描いたような瞳で「”し”」と仰っているお顔がもう可愛くて、可愛くて♡。ヒギンズ教授が装置に火をつける様子を、うっすらお口を開けてじーっと見つめていたり、「わかるな?」と言われて勢いよく何度も頷いたり。
最後に火を吹き消しちゃうところも、「消えた♡」という嬉しそうな声色が可愛くて忘れられません。あの場面はちょうど舞台転換で暗転するので、まぁ様の表情がよく見えなくて残念。あのお顔を真正面から見ている寺脇さんの心臓を心配してしまうわたし(笑)。
また同じ場面で「ありがとうございます」の発音練習をする件では、少し前の公演から寺脇さんがイライザの復唱の間に「…え”?」というアドリブを挟んでおられたのですが、その時のまぁ様がものすごくキュートなお顔で、小首を傾げて寺脇さんを見つめておられて。これには観ているこちらが悲鳴をあげてしまいました(心の中で)。
千秋楽でも同じようなやりとりをされていたのですが、きゅるんっとしたまぁ様のお顔を見た寺脇さんがちょっと笑っておられたようにお見受けしたので「ははん、まぁ様の可愛らしさに思わず笑っちゃったな?」と勝手に推測してニヤニヤ(笑)。
まぁ様があまりに可愛くて、一生分の「可愛い」を使い切ってしまうのでは?というくらい心の中で何度も何度も「可愛い!」を叫び続けていました。ほんとに可愛かったー♡。
イライザパパのナンバーは手拍子のタイミングバッチリ
『マイフェア~』にはたくさんの曲がありますが、中でも一番盛り上がるのがイライザパパが中心となって歌う『運がよけりゃ』と『教会へは遅れずに』。こちらの大ナンバーではいつからか手拍子が入るのが慣例となりましたが、千秋楽ではいつもなら手拍子が止んでしまうところ(止めなくてもよさそうなのになぁ…と思いながらも先頭を切る勇気もなく手を止めていたところ)も、勢いのある手拍子が止まらず大いに盛り上がりました。まぁ様がいつも仰っていますが、こうやって舞台と客席がひとつになる瞬間っていいなぁ…。
イライザの涙に貰い泣き
一幕は男役キャリア(笑)を存分に生かした花売り娘時代や、少女のように無邪気な笑顔を見せるまぁ様イライザでしたが、二幕では気品に満ちあふれたレディに生まれ変わります。それにつれてお芝居もぐっと落ち着いた物腰や話し方に変わり、またヒギンズに対する切ない恋心が垣間見えて思わず貰い泣きしてしまう場面も。
特に舞踏会の後のヒギンズ邸での言い合いの場面では、まぁ様のおおきな瞳から大粒の涙が零れ落ちて胸が締め付けられます。まぁ様の涙にはめっぽう弱いわたし。
「嬉しいわ!少しは仕返し出来て!」と憎まれ口を叩いているのに、瞳からは抑えきれない涙が…。一人残されたイライザがヒギンズから貰った指輪を胸に抱きしめ、俯いて嗚咽を漏らす姿には客席からもすすり泣く声が。あまりにいじらしくて思わず抱きしめたくなっちゃう。
イライザの涙と言えばお父さんに別れを告げる場面も印象的です。「元気でね」とイライザパパの肩をポンッとするところまでは笑顔なのですが、くるっと振り返った時のまぁ様イライザは必死に涙を堪えている表情で。上手席に座っているとよくわかるのですが、フレディを見上げる大きな瞳がうるうるしていて今にも泣き出しそうなんですね。
そんなイライザに腕を差し出して一緒に歩き出すフレディなのですが、千秋楽は腕に絡ませたまぁ様の手をギュッと握ってくれていて感動しました。これ、されている時とされていない時があったので、千秋楽で見せてくださり嬉しかったです。
今後に期待?!ヒギンズとイライザのラストシーン
ラストシーンで一人うなだれているヒギンズの姿は、それまで散々「どうしようもない人だなあ」とヤキモキしていたのにも関わらず、素直になれない可哀想な男に思わず同情してしまうような切なさを醸し出しています。そこへイライザが戻ってきて、映画でも有名なヒギンズの「ちょうどスリッパを探していたところだ」という台詞に微笑み合う二人の姿が夕日に照らされ、幕が降ります。
いつもこのシーンでまぁ様は頬に涙を光らせておられるのですが、24日の公演時は幕が降りる瞬間に寺脇さんの腕がまぁ様の涙を拭うように上がったのが見えました。「なんて素敵!♡」と、見えない幕の内側に思いを馳せ、それ以来期待して見ていたのですが残念ながらそのような素振りを見せられたのはこの時だけでした。
千秋楽では寺脇さんは腕こそ組んでいないものの二人の間にはちょっと距離があり、涙を拭うにはもっと近づかないと無理かなぁ…と、ちょっと残念。今後の公演で距離がぐっと近づいて、涙を拭うところをもっとしっかり見せてくれないかな、と密かに期待しています。
千秋楽挨拶
千秋楽のフィナーレは最高潮の盛り上がりでした。カーテンコールも過去最多の5回!もちろんスタンディングオベーション&大拍手の嵐。千秋楽という事で主演の寺脇さんとまぁ様から一言ずつご挨拶がありました。
まずは寺脇さんが「本日は朝夏イライザ・寺脇ヒギンズの東京千秋楽にお越しくださいまして本当にありがとうございました」と感謝を述べられ、「みなさんに上質な時間を過ごして頂こうと、一丸となって頑張って参りました。楽しんで頂けましたでしょうか?」というお言葉に大歓声でこたえる客席。
そして「朝夏まなとさんです!」と、まぁ様をしっかりご紹介してくださった寺脇さん。寺脇さんの紹介を受け、まぁ様は「朝夏まなとです。本日はご観劇誠にありがとうございました」というご挨拶の後、
「初日からあっという間に今日が来てしまいました。毎回毎回『マイ・フェア・レディ』の世界に息づくことが出来て本当に幸せで、素晴らしいキャストの皆さまに支えて頂いて、たくさんのお客様にも観て頂いて、一緒に『マイ・フェア・レディ』の世界を体感しているような気分を味わうことが出来ました」と、一言一言噛みしめるように仰っていました。
翌日のべっかんコンビの千秋楽についても触れ、「まだまだ全国ツアーもありますので、この『マイ・フェア・レディ』という作品を愛して、そして皆さんに『マイ・フェア・レディ』の一体感を体感して頂けるように、一回一回を大切に努めていきたいと思います。まずは東京公演を無事に終えることが出来て幸せです。本日は誠にありがとうございました!」と締めておられました。
これまでは「寺脇さん」と呼んでおられたまぁ様でしたが、いつの間にか「寺さん」になっている♡。ほんとに素晴らしいコンビネーションでした。まぁ様の相手役が寺脇さんで良かったな。
また初日同様寺脇さんはまぁ様をきちんとスター扱いしてくださっていて嬉しかったです。まぁ様の方が遠慮されているようでしたが、一生懸命まぁ様を目立たせよう目立たせようとしてくださる寺脇さんに、ただただ感謝でした。
お互いに先を譲り合うお姿が面白くて、寺脇さんも「夫婦漫才じゃないんですよ?(笑)」と、お茶目な一言。マーメイドドレスのまぁ様がちょこちょこ小走りしている間に、寺脇さんが先回りして捌け、まぁ様を少しでも長く舞台に残そうという粋な計らいも。
最後に寺脇さんはもう一度まぁ様に「ひと言をお願いします」と言ってくださり、ファンの気持ちを汲んで下さっているのが伝わりました。本当にありがとうございました。
まぁ様は「皆さま本当にありがとうございます。『マイフェアレディ2018』が皆さまの心に少しでも残りますように♡。本当に、ありがとうございました!」と、ご挨拶。
「~でありますように」っていう言い方は宝塚現役時代もよくされていたので懐かしい気持ちになりました。
初日のような投げチューを期待していたのですがそれはなく(残念)、まぁ様は淑女然とした優雅な微笑みで客席に向かって何度も手を振ってくださいました。まぁ様の投げチュー大好き人間なので、地方公演のどこかでまた披露してくださらないかしら、と期待しつつ…次は梅田、そして大千秋楽の大分でまぁ様イライザちゃんに再び会えることを楽しみにしています。
朝夏まなと&神田沙也加の新イライザ誕生 ミュージカル『マイ・フェア・レディ』開幕 - 2018年9月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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暁のハルモニア第六話のレポートと感想【ネタバレあり】
暁のハルモニア 第六話 あらすじ 【ネタバレあり】
主な登場人物についてはこちらの記事で。
ヨアヒムがグスタフの元に顔を出すと、彼は大砲の銃弾を確かめているところだった。ヨアヒムの姿を認めると、グスタフは険しい表情を緩めて微笑んだ。
グスタフはヨアヒムを傍に呼び、スウェーデンへの同行の意思を確かめた。彼は自分の娘、クリスティーナ王女の家庭教師としてヨアヒムを自国へ連れて帰ることを希望していたのだ。
「クリスティーナ姫の家庭教師としてスウェーデンへ…。勿体無いお話です」と、答えたヨアヒムは「しかし自分には果たすべき使命がある」と続けた。その”使命”とは一体何なのかと尋ねるグスタフ。ヨアヒムはケプラーの手帳を彼に差し出した。ページ一面に綴られた数字。ケプラーが残した暗号文である。
「これは宇宙の核心に迫る法則が記されているはずで、自分は命に代えてもこれを解き明かさなくてはならない」、と語るヨアヒム。だが意外なことに、グスタフはこれをおおいに喜んだ。
「聞いただけで胸がときめくぞ」と話すグスタフはヨアヒムに、暗号文の解読は自分の元で取り組めばいいと提案した。「なにが記されているのかぜひとも知りたくなった」、と。グスタフはヨアヒムに軍医として、スウェーデンへ帰るまでグスタフの軍と行動を共にすることを命じた。
遠くでグスタフを呼ぶオクセンシェルナ伯爵の声がする。グスタフは名宰相であり唯一無二の親友でもある彼の姿を見やると、ヨアヒムに声を掛けその場を後にした。ヨアヒムは足取り軽く去っていく王の背中を見つめていた。
ーーー”グスタフ・アドルフ王…。さすらいの旅を続けてきたこの身がついに留まる場所を手に入れたのだろうか。王の傍が本当に僕が居るべき場所なのか…見定めなくてはーーー”。
「陛下、わが軍の快進撃を前に皇帝軍は後退を続けております」と、オクセンシェルナはグスタフに戦局の状況を伝えた。レヒ川のほとりが次の戦場となるだろう、と。敵側の総司令官はティリー将軍。噂に名高いヴァレンシュタインはまだその姿を現さない。「一人の武人としてあの男と戦ってみたかった」と零すグスタフを、オクセンシェルナは軽く戒めた。
「一時の情熱に駆られてそのような世迷言を口にされるのはおやめくださいませ。王たる者、常に冷静な状況判断が…」と、口酸っぱく繰り返すオクセンシェルナをグスタフは遮った。「人間だれもがお前のように冷静であれば世界は凍り付いてしまうぞ」と、からかうグスタフにオクセンシェルナも負けじと言い返す。「お言葉ですが陛下、誰もが陛下のように熱く燃えていては、世界が焼き尽くされてしまいます」。二人は顔を見合わせて笑った。主君と部下の繋がりを超えた深い絆がそこにはあった。
ヨアヒムはルディとスウェーデン軍の中にある酒場に来ていた。そこでは大勢の人間が賑やかに酒や食事を楽しんでいた。驚くべきことに軍の中には酒場に床屋、教会に学校までが併設されていたのだ。家族連れで軍に加わっている者も多くいるらしい。街が丸ごと移動しているような軍の内情にヨアヒムは心底感心していた。
「この頃はますます騒がしくなった」と、一人の男が呟いた。スウェーデン軍はどんどん人が増えていると言うその男は、首にロザリオのペンダントをぶら下げていた。それはカトリック教徒の証である。
驚くヨアヒムに彼は「グスタフ陛下はカトリックを信じる者を無理に改宗させたりなさらない。プロテスタントもカトリックも、人間は一人一人が自由に自分の信仰を選ぶべきだと」と、誇らしげに答えた。それが、グスタフの目指す真の自由なのだ、と…。
ヨアヒムは老師ケプラーの最期の言葉を思い出していた。
ーーー”地上がいかに戦乱に満ちていても。星々の運航は決して乱れる事は無い。願わくは天上に調和のあるがごとく、地上にもあらんことをーーー”
後日、ヨアヒムはこっそりと戦場に繰り出すグスタフの後を付いて歩いていた。ヨアヒムを若干疎ましげに振り返るグスタフに「陛下一人で戦場の視察など危険すぎます」と、ヨアヒムは食い下がった。「何事も自分の目で確かめる主義だ」と答えるグスタフは、友を連れて歩くと目立つが一人は身軽でいいと話した。
”ーーーこんなことをオクセンシェルナ伯爵が知ったら…!ーーー”
”ーーー…叱られるな。ーーー”
グスタフはヨアヒムにオクセンシェルナには内密にと釘を刺した。
遠く見えるレヒ川を見てグスタフは感嘆の声をあげた。青緑色に輝く美しい川。しかし川の流れは速く、渡るのは容易ではなさそうだった。
皇帝軍は川の流れに沿って陣を敷いている。これはスウェーデン軍の歩兵隊の力を生かしにくい戦場だった。起伏の多い地形を見やり、ヨアヒムは「ここからは皇帝軍がよく見えますね」と、グスタフに声を掛けた。
ふとこちらに向かって大声で叫んでいる皇帝軍の兵士の姿が見えた。グスタフはそれを面白げに見やると、あろうことか「おーい」と答えて手を振り返したのだ。王の大胆な行動にヨアヒムは心底驚いた。
まさかグスタフ王が自ら視察に来ているとは露ほども思っていない敵軍の兵士は「お前たちの王様はどこにいるのか」と呑気に尋ねてくる。それに対して「貴様らが思っているよりずっと近くにいるぞー」と返したグスタフは、愉快そうに笑い声をあげるのだった。
グスタフは今夜中に敵軍の陣地に橋を掛ける計画をヨアヒムに話して聞かせた。まさか今すぐに敵軍が攻めてくるとは露ほども思っていない皇帝軍のねぐらをかくという算段である。グスタフは細かな布陣体制や攻撃の手順を冷静に分析していた。「上手くいくでしょうか」というヨアヒムに、さも簡単なことだという口調で「確実にな」と答えた。
翌朝、スウェーデン軍の精鋭部隊は敵の砲撃をもろともせず川を渡り、対岸の敵陣へとなだれ込んだ。
”ーーーバルト海と数々の大河を超えてきた我々にこの程度の川など造作もない。これより本体を突入させるーーー!”
グスタフは自ら軍の先頭に立ち指揮を取った。グスタフの傍にオクセンシェルナがやって来て、敵の総大将ティリー将軍が銃撃を受け瀕死の重傷を負ったことを伝えた。「皆の者、世に続け!神は我らと共に!」グスタフの一声がスウェーデン軍の志気を最高潮に高めていた。
ヨアヒムはグスタフ率いるスウェーデン軍の鮮やかな勝利に目を見張っていた。
”ーーー…これが、グスタフ・アドルフ王の戦術…!ーーー”
スウェーデン軍の勢いは今やとどまることを知らず世の人々を震え上がらせた。カトリック教徒の民衆たちはスウェーデン軍に手も足も出ない皇帝軍の在り様を非難し、皇帝が己の勝手な判断で罷免した英雄の復活を望むようになった。かつてデンマーク軍を破った傭兵隊長ヴァレンシュタイン公の復活を。
「ヴァレンシュタイン公を!」「ヴァレンシュタイン公を出せ!」民衆たちは口々にヴァレンシュタインの名を叫ぶのであった。
その頃ヴァレンシュタインは、屋敷にやって来ていた皇帝の使者が語る戦場の様子にじっと耳を傾けていた。「ティリー将軍亡き今、皇帝陛下が頼れるのはあなた様だけ。かつてあなた様を罷免した過ちについてはいかようにも償うとの仰せです。どうか御出陣を」
全てを聞き終わると、ヴァレンシュタインは落ち着いて口を開いた。「では、三つほど陛下にお許し願おう」と、訝る使者に向かってヴァレンシュタインは、出陣における条件を挙げた。
①「軍事に関する全ての権限を譲ること」
②「潮時だと判断した際、すぐに講和に乗り出せるよう、和平交渉の権限を与える事」
③「グスタフ王から帝国を守り抜いた暁にはボヘミアの王位を授けること」
法外な要求に顔色を変える使者だったが、今はどうしてもヴァレンシュタインの力が必要。皇帝に伝える事を約束し、使者は屋敷を後にした。
この様子を傍で黙って聞いていたイザークも、主の大胆な要求には驚きを隠せなかった。皇帝がこれだけの要求をのむとは到底思えず、イザークはヴァレンシュタインに尋ねた。
「のまぬわけにはいくまいよ」と答えたヴァレンシュタインは、どんなに法外な要求を飲まざるを得なくても、今の皇帝には自分の力が必要だと確信していた。「己の力を帝国全土に見せつけてやる時が来た」と出陣の決意を固めたヴァレンシュタインは、イザークに従軍司祭として共に戦地へ赴くよう告げた。
”ーーーグスタフ・アドルフ。奴こそ星によって定められし我が宿敵!。ついにまみえる時が来たーーー”。
下級貴族の生まれからボヘミア王に…。確かに実現したら痛快かもしれない、とイザークは心の中で頷いた。「この人が創ろうとする国がどんなものか、ひとつ見届けるのも悪くない」。
スウェーデン軍内では、グスタフがヴァレンシュタインの皇帝軍総司令官再任の知らせを受けているところであった。待ち望んでいた敵の出現に闘志を露わにするグスタフ。そんな王にオクセンシェルナは「このままウィーンに進軍するのは得策ではありません。味方の諸侯との連携を絶たれ、孤立する恐れがあります」と、冷静に進言した。グスタフもこれを受け入れスウェーデン軍はニュルンベルクまで一旦退き、そこで体勢を立て直すことを決めた。
城壁に囲まれた美しい古都、ニュルンベルク。ヴァレンシュタインはたちまちのうちに大軍を率いてこの街を包囲し、スウェーデン軍は籠城を余儀なくされた。街には飢えと疫病による苦しみの声が満ち、ヨアヒムは軍医として懸命に市民の救護にあたっていた。籠城が続き兵士も市民も皆疲れ切っている。いつまでもつだろうかと思案するヨアヒムは「この苦しい戦いの後にグスタフ・アドルフ王はどのような国を築こうとしているのだろう」と、王の心中を測った。
街を囲むヴァレンシュタイン公の陣地から野営の煙が立ち上っているのが見える。もしかしたらイザークもすぐそこにいるのかもしれない…。ヨアヒムは敵陣の友に思いを馳せるのだった。
感想
今回まぁ様のアマーリエ様は最初の回想シーンのみの登場でした。しょんぼり(´;ω;`)
ですが物語はついに佳境へ!。いよいよリュッツェンの戦いが始まりますね!。今回はグスタフ王が”師子王”と呼ばれる所以を垣間見た気がします。自ら先頭に立ち、軍を率いる熱さと大胆さ。それでいて冷静で緻密な計画を立てることも厭わない。
またグスタフ王とオクセンシェルナ伯爵との、身分や立場を超えた友情にも感動しました。男の友情っていいなぁ~…って、まぁ様も言ってた♡。
物語とは関係ありませんが『暁のハルモニア』収録時のまぁ様。
このお洋服を着ていらしたのは、きっと二日間の収録日の内の一日目だろうなぁと推測。見覚えのある水色のパンツが眩しいです!。
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